おはようございます。
厚労省が作った「人生会議」のポスターが
物議をかもしています。
お笑い芸人の小薮さんがちょっと変な顔して
ベッドに横たわっています。
どうやら亡くなる直前のようです。
その上にかぶせるように言葉が並んでいて
心拍が0になることを思わせる線が入っています。
「まてまてまてまて
俺の人生ここで終わり?」
という言葉から始まります。
こんなことになるんなら
もっとしっかり話しておくべきだったと言うような内容です。
最後にこうならないために
「人生会議」しとこ
としめてます。
厚労省の言いたいことは理解できます。
こうならないために早くから話し合いましょうということなんでしょうが
そうとうな数の人が不快感を表しています。
私は不快とまではいかないんですが
あまりいい気分ではありません。
人生のギリギリの段階のところを切り取って
ポスターにしてもなぁ・・・というのが正直な気持ち。
「こうなったとき後悔しても遅いよ」と言うことが言いたいんだろうけど
ある意味脅迫だよね~って思ってしまう。
このポスターでどうなんだろう
一般の人に真意が伝わるだろうか?
センセーショナルな内容にしないと
今まで考えたことも
話したこともない人には振り向いてもらえない。
そう考えて、こんなポスターにしたのかな?
だとしたら、裏目に出てしまったんじゃないか。
そんな心配が出てきてしまう。
そんなときタイムリーに
ACP(アドバンスケアプランニング)の研修だったんですよ。
講師の片山先生は
「ACPは事前指示書を書くためにするものじゃない。」
って。
「今まで考えたことのない人がみんなで話し合って
その人にとって何が心地よくて何が不快なのか
そこからその人の価値観を明らかにしていく過程なんだ。」
と言っていました。
私もその話に大賛成です。
そして
その話し合いをする時期はいわゆる終末期ではなく
その一段階前
在宅でケアマネが関わっているくらいのとき。
少し虚弱にはなってきたけれど
まだまだ自分の家で生活できる。
そのくらいのときから考えましょうと。
ただし
考える、話し合うのは終末期医療のことではなく
先にも書いたように
本人の価値観。
そして
本人の家に行くケアマネは
その家の中の様子や普段の生活の様子を知っている。
わざわざ「今から話し合いましょう。」と言って時間を取らなくても
普段の様子から本人の価値観をキャッチすることができる。
いざというときは他の専門職と
それぞれがキャッチしている情報を持ち寄り
本人にとってより良い選択について話し合うことができる。
そんな期待を言われました。
その時に必要なのは
「対話と聴くスキル」
この前の高室先生の研修でも言われましたが
利用者に興味を持って質問すること。
「例えば・・・」
とか
「もし、出来るとするなら・・・」
など、利用者が考えやすい答えやすい質問をすること。
内容は少し違いますが
お二人とも当事者としっかり話をしなさいと。
ただ話をする、聞くのではなく
相手の様子を観察しながら
相手にも考えてもらう。
当事者としての意識もしっかり持ってもらい
すべての希望がかなうわけではないけど
その中で何ができるか、落としどころを探っていきましょうと。
そこから
「本人らしい生活」ができてくるんだということでした。
ACPの話しは亡くなることを話し合うのではなく
これからどんな生活を、生き方をしていくのか
何が心地良くて、何が心地悪いのか
生活の質を上げていく話をしていきましょう。
そこにケアマネの役割もあると思いますよ。
では、今日は天気が悪いですが
運転に気をつけて、元気にいきましょう!