本人の役割

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おはようございます。

 

日曜の研修の続きなんですが

講師をしてくれた山口さんのお父さんも

要介護認定を受けていてケアマネがついているそうです。

 

現在85歳だそうですが

糖尿病性網膜症があってうっすらとしか見えないそうです。

近い将来、まったく見えなくなると予想されていて

見えなくなっても自分の部屋からトイレ、浴室

食堂の間を自由に移動できるように手すりをつけたそうです。

 

目が少しでも見えているうちに手すりをつけないと

慣れることができなくなるからと言っていました。

 

ケアプランを作ると同時に

家族でいろんなルールを決めたそうで

ひとつは、昼は布団、夜はベッドで寝る。

 

「なんで?」って思ったんですけど

昼にもお父さんは横になりたいとおっしゃったそうで

そのせいで昼夜逆転にならないように

夜はベッドで寝るけれども、昼に少しだけ横になりたいときは

ベッドの横に布団をひいてそこで寝ると言うふうにしたそうです。

 

そうしないと、ちょっと横になった後に目覚めたとき

今が昼なのか夜なのか分からなくなってしまうと心配したからだそうです。

私も経験があるので「分かるわ~。」と。

 

その他にも

入浴の介助もしない

食事は感染症がない限り家族と一緒に食べる

室内の移動は手探りで手すりにつかまって自分で行い

移動導線上にものをおかない

夕方になると縁側のカーテンを閉める。

 

この最後の縁側のカーテンを閉めると言うのは

本人に家族としての役割を持たせると言う事と

夕方になったらカーテンを閉めることで

夕方であるということを強く意識付けし

昼夜逆転の生活にならないようにするためだそうです。

 

ほんとに少しの事であっても

夕方になればカーテンを閉めるっていうことを

本人の役割として実行してもらう事は

自分が家族の中で役に立っているという実感を持つことができて

閉じこもりの予防や意欲の向上につながるだろうと思います。

 

これが実行できるのは、やはり家族だからと言う強みもあるんでしょうが

そこまでケアマネがきちんと入り込めるようになれば

こういった自立支援のためのケアプランを作成することも可能だろうと言っていました。

 

この話を聞きながら、つい最近聞いた話を思い出しました。

 

認知症のおばあさんが「嫁に殺される。」と訴える。

でも、お嫁さんとはずっと仲が良かった。

ある日よく聞いてみると

この人が少しずつできなくなってきたときに

お嫁さんは良かれと思って「私がしますね。」

とその人が行っていた用事をさせなくなったそうです。

 

本人が訴えていた「嫁に殺される。」は、嘘ではなく

役割を取り上げられ

家族の一員としての立場がなくなってきた

それを殺されると表現したのでした。

本人からすると

「何もできなくなった人」として

存在自体を殺されているというふうに感じたのかもしれませんと言う話でした。

 

山口さんのお父さんの話しで、この話を思い出し

ほんの小さな作業だったとしても

本人が担当するものがあると言うのは

生きる意欲や家族の役に立っているという満足感を得るために

とても大事で必要なことなんだろうと思いました。

 

そんな本人の意欲をかきたてるケアプランが立てられるといいですね。

 

では、今日も前向きにいきましょう!

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