成年後見の表と裏

投稿日:

おはようございます。

 

介護保険と同時に始まった成年後見制度

最近はその認知度もずいぶん上がってきたように思います。

 

私も数件、成年後見人として仕事していますが

全体的に成年後見事件の件数は増えているんだそうです。

 

昨日もある人の相談に乗っていたのですが

その人は成年後見人が被成年後見人の財産を搾取した事件があったので

自分も同じような被害にあいたくない(そりゃ当然の気持ちですよね)

そんな訴えをしていました。

 

しかしですね

弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職後見人が事件を起こすことは少なく

実際は家族が親族後見人となっている場合の方が

事件になる件数も金額も桁違いに多いんです。

 

専門職後見人が被成年後見人の財産を搾取した場合はニュースになりますが

親族後見人の場合はニュースにならず

一般の人にはあまり知られていないからそんな誤解を受けているんです。

(親族後見人も、もちろんきちんとされているんですが)

 

ただ、この成年後見の申し立て件数は増えていて

国は親族後見ではなく第三者後見の方を勧めています。

専門職後見人の数も限られており

後見報酬があまり見込めない人の申し立ても増えています。

 

そこで国は

「市民後見人」

の養成を進めてほしいと

成年後見制度の利用の促進に関する法律

http://www.cao.go.jp/seinenkouken/law/sokusinhou.html

の中で言っています。

 

個人的には、成年後見人は人の人生を左右することもあるので

簡単に「やりたい!」と手を挙げる人って…と

思う部分もあるのですが

しかし、判断力が低下している人の権利を守るために

必要な制度であるとも思っています。

 

ただ

「権利を守るという一面を持ちながら

権利を奪うという一面がある。」

ということも、介護や福祉に携わる者は理解していないといけません。

 

上で書いたように

その人の人生を左右することもあります。

合理的な判断が、その人の希望する生活でないということもあります。

 

今回の相談者には

「今のあなたの希望をきちんと聞いて

それに沿うようにお手伝いする制度なんです。」

と説明しました。

 

いつも言う「意思決定支援」に気をつけながら

手伝っていけるようにしたいと考えています。

 

さて、昨日はすごい風でした。

今週もあと1日、笑顔でいきましょう!

 

関連記事